ローマ,監禁状態から脱出取材,コロナウイルス下,人気のない街

現在2020年、2月から3月にかけで新型コロナウイルスが瞬く間に世界中で猛威を振うようになった。目に見えないウイルスの広まる速さには驚かされる。WHO世界保健機構は、伝染病の世界規模の流行を示すパンデミックを宣言。ヨーロッパでもっとも深刻な事態に陥っているのはイタリアだった。コンテ首相はテレビで演説を行い、イタリア全国の店(薬局、食料品店を除く)、レストラン、バー、クラブなどをすべてを閉鎖。人が集まるイベントなどをも中止。さらに、仕事や食べ物を買いに行くといった必要不可欠な理由が書かれた書類を持っていない限りは外出も禁止!という異例の首相令を発令した。
自分がガイドをしているローマでも例外ではない。 当然のことながら観光の仕事は全くのゼロである。もうこの僕の監禁状態は何日も続いており、近所のスーパーマーケットよりも向こうに行ってみたいという欲望にかられ始めていた。それで、アイフォンを片手に街の取材に出ることにした。これから、そこで見たローマを皆さんにお伝えしよう。

先ずはコロッセオだ。1世紀に作られた闘技場跡で、ローマで最も重要なモニュメントだ。2000年近くも前の建物だし、いつもなら沢山の観光客で満たされているのだが今日は全く人気がない。まるで廃墟のようだ。いやよくみると、バス停でいつ来るかもわからないバスを待っている二人の男の姿がコロッセオの麓に豆粒のように写っていた。これを見ただけでもコロッセオの大きさが理解できるだろう。この偉大さ、計算された美しさ、そして調和、こういった事から今の私達は、古代ローマの姿や当時の人の思想を垣間見ることができる。それゆえにコロッセオはローマのシンボルと言われているのである。それは、この人気のない街の中でも堂々とした存在感を示していた。

コロッセオの地下鉄の駅前。地下鉄も閉鎖されてるのかと思いきや、地下鉄やバスなどの公共機関はオフィスなどで働く人の為に運行していた。いつもならものすごく混雑した駅なのだが、今日は中に灯りがついてるものの、まるでゴーストが出入りでもしているかのような不気味な気持ちにさせられた。
さて狭い路地を散歩していると、こんな有名な噴水が突然出てくるのがローマの驚き。コインを投げ入れると再びローマに戻ってこれると言われるトレビの泉である。どうせ誰もいないのだから、今日こそは水の中に裸で飛び込んで馬車に乗る海の神ネプチューンとの戦いに挑むぞ〜っと思いきや、ちゃーんと警察が見張っておりました。残念~ とにかく変に呼び止められる前にここを逃げねばならぬ!
アヴィニョネーゼ通りというローマの歴史地区にある細長〜い通りだ。この通り沿いにも美味しいレストランなどあるのだが店は当然閉まっているし、誰もいない。
共和国広場。4世紀のディオクレツィアヌス帝のテルマエ跡に作られた広場で、非常に開放感のある噴水がある。この近辺は三越などの商店街もあり、レストランやホテルなども多く点在しているため普段は人も車の交通量も多い広場。今は誰〜もいない広場だ。なのに、この水の妖精達のたわむれるナイアディの噴水は元気に水を噴き上げていた!!
スペイン広場。街中でこんな素敵にデザインされた階段は世界でも珍しいだろう。そして小舟の噴水。この水はトレビの泉の水と同じ水源で、なんと紀元前1世紀に水道橋の水源だったAcqua Vergine(処女の水)が今でも使われているのだから信じられない。ところでここによくいたハトはどうしてるのだろう。観光客が姿を消したために食べ物が落ちてないから死んじゃったのだろうか?それとも近年大発生しているカモメに食べられちゃったのだろうか?!
ここは、ローマの鉄道の玄関口テルミニ駅に沿って伸びるジョリッティ通りの一角だ。中央駅前だけあって普段は人種のるつぼのような地区で、多種多様な店が並び結構賑やかなところなのだが、今日は見事に全部の店が閉まっていた。実は、娼婦のオネエさんがマスクして立ちんぼしてたのを見かけたけど写真撮っときゃよかったかな〜(笑)

第二弾はこちらから

著者: 原井シュウジ

Romanissimo

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