外出規制が始まり約1ヶ月 最前線で戦う医療関係者の方々や生活必需品の流通に関わる人達の様な緊張感はないものの、ジワジワと砂嵐の様な不安は、自宅に篭り戦う私達にも狭ってきます、そんな時、心を癒してくれるのは、空想の世界へと旅をさせてくれる芸術にです。甘く美しいラファエロの世界へと皆様を導くことが出来れば幸いです。
ボルゲーゼ美術館所蔵のキリスト降架 1507年制作
YouTubeチャンネルにてご紹介した様に、こちらは、ペルージャのバリオーニ家の後継者争いで息子グリフォネットを失った女性が依頼をします、グリフォネットは、後継者を殺し自分もその部下に殺されてしまいます、キリストの遺体をを運ぶ右側の男性の姿が非常に彼に似ているそいです。なんとも生々しい描写です。
さて、このタイトルキリストの降架となっています🧐🧐🧐
最初はタイトルどおり、こんな構図を考えていた様です。
グリフォネットさんの姿はありませんね🧐
彼の姿を入れるためだけに大胆に構図を変えたのでしょうか???
こちらは、この絵の為のスケッチのひとつです、彼は才能に恵まれているだけではなく、
大変な勉強家で、古代彫刻のスケッチや工房の若者達の姿をスケッチしたりして、いろんな構図を考案していきます。この絵の構図も古い棺の浮き彫りからヒントを得たそうです。
この矢印は、力の方向を示しています、両サイドに引っ張る姿をみると人間は、逆の方向、
内側に向く力を連想します。視線はこれによってキリストの遺体に導かれていきます🤩これが、心理トリックです!ラファエロはこれに気がついていたんですね。
更にこの下絵から真ん中の女性 マグダラのマリアの頭を少し移動させていきます。
こちらもトリックです。
いの危機が収束しローマにて、この絵の前に立って眺めて頂くことができれば、皆さまもこの絵に吸い込まれていく様な錯覚を味わって頂けると思います。
竹内
コメント