聖木曜日、最後の晩餐、キリストの血を飲むとはどういう事か!?

今年の復活祭は4月12日。これはキリスト教のお祭りの中でも最も重要で、特にその3日前からそれぞれ聖木曜日、聖金曜日、聖土曜日とよばれており、キリストが復活に至るまでの記憶を私達に想い起こさせてくれる。今回は聖木曜日についての聖書の記述、その真相について見ていきたいと思う。
聖木曜日は、最後の晩餐の日である。晩餐の最中にイエスが弟子達の足を洗ったことから『洗足木曜日』とも呼ばれている。この日はユダヤ人にとっては、モーゼによるエジプトからの解放を祝う過ぎ越しの祭りの時期でもあった。日没後、ユダヤ人の中から生まれたイエス・キリストは十二人の弟子たちと計十三人で晩餐をしている時、「あなた方に真実に言う。あなた方の一人で、ここで私と一緒に食事をしている者が、私を裏切るだろう。」と云った。彼らはその言葉に悲嘆し、それぞれが「主よ、まさか私ではありませんね。」と言い始めた。イエスはそれに答えて「私と一緒に手を鉢に浸す者、それが私を裏切る者だ。確かに人の子(イエスご自身)は、預言されている通りに去って行く。だが人の子を裏切るその者にとっては災いとなる。その者は、むしろ生まれて来なかったほうが良かったであろう。」と言われた。その時、彼を正に裏切ろうとしていたユダが「その裏切り者とはまさか、私の事ではありませんよね。」と尋ねると、イエスは「今あなた自身がそう言った。」と返したことが聖書に書かれている。この聖句にはイエスが弟子達を非常によく観察しておられた様子が描写されており、その言動からイエスは真実を見抜いていたことが理解できる。なんとも緊迫感のある記述である。
この後に有名な、というかむしろ驚くべき儀式が行われた。イエスは無酵母パンをちぎって弟子達に与え、こう言われる。「これを食べなさい。これは私の肉を表している。」さらにイエスはぶどう酒のはいった杯を弟子達に与えて「あなた方はみな、これを飲みなさい。これは私の契約の血を表しており、それは多くの人々の罪が贖われるために注ぎ出されることになっている。」と述べた。一体この、イエスの肉を食べてその血を飲むというのはどういう意味なのだろうか。この記述は、古代に神様に生贄を捧げ、その肉を食べ、血を飲む習慣が存在していた事を示唆している。といっても生贄の多くは牛や羊などの動物だったのだが、人間が捧げられたこともあったかもしれない。事実、聖書にもアブラハムが自分の大切な息子イサクをエホバに捧げようとする場面が登場するし、ギリシャ神話にもアテナイの王アガメムノンが自分の愛する娘を女神ディアナに捧げる場面が出てきたりする。
いずれにせよ、ユダヤ人の神エホバは人々が血を飲む行為を禁止していたはずである。エホバの証人が輸血をしないのはその理由からだ。それではなぜイエスは自分の血を飲ませるような儀式をここで行い、それを続けていくようにと言われたのだろうか。これでは神の御心に逆らってしまうではないのか。

血は命を表しており、その血を飲む者はその命から影響を受ける。だから罪を持った汚れた血を飲むことをエホバ神は禁止したのだ。なぜ私たちが罪を持っているって? かつてエデンの園に創造されたアダムとイブは罪のない状態で生まれてきたはずだったのに、悪魔サタンの誘惑に負けて、禁断の木の実を食べてしまったね。我々はその罪を受け継いできた子孫だ。それゆえに私達は不完全で、病気になり、憂いや悲しみを持ち、最後には虚しくも死んでいく。さて、イエス・キリストは全人類の中で唯一、神様が地に使わされたみ子だったので罪を持っていなかったのだ。確かに、イエスはマリアの母体に神の精霊が宿したのであって、事前に男との何の交わりもなかったというのだから普通ではないはず。私達の罪が許されて、アダムとイブが罪を犯す前の状態に戻るためには、どうしてもイエス・キリストの完全な命が生贄として神に捧げられる必要があったのだ。私達は、彼の流した神聖な血を飲むことによって罪の束縛から贖われるのである。

この最後の晩餐の後イエスは予言通りユダに裏切られて十字架への道に進むわけだが、それが聖金曜日。明日書きます。

と言うわけで、仕方ないので私もこの神聖な血を毎日飲ませていただいている。さぁ、飲もう!人類の救済のために聖なる血を!皆さんも飲み過ぎには気をつけてね。。

著者:  原井シュウジ

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